魚映日誌

釣りと映画。

映画レビュ。『エイリアン コヴェナント』

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観てきました。『エイリアン コヴェナント』。

なかなか家ではホラー・スプラッタを観るお許しが出ず、たまの不在を

狙ってレイト・ショーで鑑賞してきました。まあ一行でこの映画を表すなら、

リドリー・スコットのチャンピオン祭り!~まだまだ若いモンには負けんわい~』

とにかく血!血!血なまぐさ!エイリアン大盤振る舞い!で前評判通り、79の爺さんが撮るには若すぎる映画という感じで。ホンマについこないだ撮った『オデッセイ』とはなんだったのか。。というくらいの死体の山が築かれます。

マット・デイモンが芋栽培するヒマなんてありません!宇宙はコワイんです!

お勧め度:★★☆☆☆(血肉欲有りの方に限り、★★★★☆)

※※※※※※以下、ネタバレ含みます※※※※※※

 

さて、つけた星の数どおり、いきなり本作品を観た人にとってはタダのスプラッタ映画で終わるでしょう。作品単体としては正直微妙です。

エイリアンシリーズとしても、これまでの作品設定をかなり斬新に変えていて、もはやデザインが同じなだけの別の映画になっています。

 

もともと、このシリーズって、何かが体内にいる!よくわからないの生態の一部にされちゃう!ていう溜めの部分がホラーとして効果的に機能していた映画だと思うんですけど、そんな設定知るか!時代はスピードや!といわんばかりにシリーズの設定や魅力を捨てた構成になっています。

 

まず、新エイリアン『ネオモーフ』(イラスト左下の白いエイリアン)ですが、本作品を象徴するスピーディーさで、変な胞子が体に入っただけで孕みます。

そして20分ほどで体から飛び出し、生まれた瞬間からほとんど成体&殺戮マシーン。

 

そして、みなさんお待ち兼ねザ・エイリアンの『ゼノ・モーフ』さんも久しぶりの登場で設定忘れたのか、チェストバスティングまでは同じなんですが、生まれた瞬間からすでに成体のミニチュアみたいな感じで、一瞬で成長完了。んでチーターみたいに走る走る。この2種類のエイリアンが出てからはもうひたすらアクション&スプラッタ。

 

個人的には1作目から設定を発展させて、エイリアンの生態がどんどん解明されていって最終的にエイリアンが胎生を手に入れる、これまでの不気味な生き物との触れ合いが好きな人はがっかりするでしょう。

 

この詰め込みっぷりを見てると、グロ画像やテロ映像に簡単にアクセスできる21世紀ってホラー映画が本当に生きづらいんだなあと製作者側の苦悩が見てとれます。

 

そんなてんこ盛りのせいで、各登場人物も深堀できず、ただ死んでいく人たちでしかありません。主役のダニエルズもなんだかパッとしない。メイクと髪型のせい?

ポスターだとたくましそうでかっこいいんですが、本編始まると、パケ写詐欺やんけ!といいたくなるほど、常にしょぼくれ顔。エイリアンシリーズを支えていたのはやはりリプリーのたくましさだったと再認識しました。

 

と、悪いところばかり書きましたが、設定と魅力を捨ててまで注力したアクションは見物です。リドリーおじいちゃんが作ったスプラッタ・ジェットコースターを見たい人は早めに劇場に。たぶん上映館数はすぐ減っちゃいます!